先日著者のTsutidaさんから献本いただいたので、読後感想(決して書評ではない)をまとめました。
Azureの知識地図〜クラウドの基礎から実装・運用管理まで [技術評論社]
著者 (敬称略) : 土田純平,永田祥平,栗本美穂,石塚航希,乃村翼,草谷一輝,酒見一幸
技術評論社のサイト
https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-14903-1
Amazon.jp
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4297149036

「はじめに」に記載がある通り、対象読者は
- Public Cloud初心者
- Azureの基礎と全体像を体系的に学習したい人
- ただしITの基礎知識は持っていること
ということのようです。筆者は執筆者の面々に比べてAzureに詳しくなく、初心者に毛が生えたレベルなので、「2025年5月現在、Azureの素人が書籍の内容を理解できるのか?」という観点で感想を記載します。
- 第1章「クラウドサービスとAzureの基礎」で主な契約形態に触れている点は理解整理の助けになると感じました(細かいプランを上げるときりが無いので、主たる契約形態を紹介するにとどめていた点もよい)。利用者でも案外知らない人が多そうな気がします。
- Azure Firewallやルーティング、DNSの説明は簡潔にして十分な記載と感じました。膨大なドキュメントを読んで詳細を理解する前に力尽きることを避けるためにも、この部分だけは読んでおくべきと考えます。
- PaaSは、よく使われるサービス群を、やりたいこと視点で簡潔に説明していました。数多あるものを逐一説明するのは大変ですし、とっちらかるので、仕方ないです。やりたいこと視点での説明があることで、「○○をする上で□□が使えるんだ」と理解しやすくなるのもよいです。
- 運用管理(コスト管理、Azure Policyを使ったガバナンス統制など)にも触れられていたのは他の所謂入門書籍ではあまり見かけない構成に感じました。同時にDefenderシリーズに触れている点も類書にはないように感じました。
この書籍は、特定サービスの詳細を理解してもらうことを目的としてはいないので、ハンズオンはシンプルなものにとどまっています。興味深いサービスがあれば、公式ドキュメントのチュートリアルやクイックスタートで理解を深めていくことがよさそうです(Azure OpenAIを使ったChatBotがシンプルな内容か、という話はあると思うが、内容としてはそれほど難しくない)。
Azureの全体感を理解する上で読みやすく、理解しやすい(奇をてらったり、特定の面々にだけウケたりするような表現がない)構成、内容と感じました。著者のみなさま、おつかれさまでした&よい本をありがとうございました。