原文はこちら。
The original article was written by Alina Yurenko (Senior Developer Advocate for GraalVM, Oracle Labs).
https://medium.com/graalvm/graalvm-25-2-is-here-600a9ae53f83
本日、GraalVM 25.2のリリースを発表できることを嬉しく思います。
GraalVM 25.2は、新機能や改善点の提供を加速させる当社のinnovation release trainにおける最新リリースです。一方、GraalVM 25.0については、本番環境での安定性が求められるアプリケーション向けに、引き続き定期的なクリティカル・パッチ・アップデート (CPU) が提供されます。
Accelerating the GraalVM Release Train | by Shaun Smith | graalvm | Medium
Accelerating the GraalVM Release Train – Logico Inside
GraalVMのダウンロードや、リリースノートでの詳細確認はすでに可能です。
Download GraalVM
GraalVM 25.2 release notes
GraalVM 25.2では、サンドボックス化されたアプリケーションプラグイン、メモリ使用量の削減、全プラットフォームでのNative ImageにおけるG1のサポートなどが導入されています。新機能の詳細については、ぜひ読み進めてください。
Sandboxed application plugins with Graal Script Agent
今回のリリースでは、Graal Script Agentが導入されました。
Graal Script Agentは、自然言語のリクエストを、ローカルで実行されるサンドボックス化されたアプリケーションプラグインに変換します。これにより、ユーザーはコードを記述したりレビューしたりすることなく、特定のニーズに合わせてアプリケーションをカスタマイズできます。
この機能は、特にダッシュボード、レポート作成、データ探索などを含む多くのアプリケーションで活用できます。拡張機能は変更を提案することもできますが、アプリケーション側は、生成されたスクリプトが直接変更をコミットすることを許可するのではなく、それらの操作を記録して承認のためのプレビューを表示すべきです。選択された拡張ポイントによりポリシーが決まります。読み取り専用のクエリは即座に実行される場合がありますが、変更には検証と確認が必要です。
アプリケーション開発者は、どのような種類のプラグインが生成可能か、およびどのアプリケーションAPIにアクセスできるかを指定する拡張ポイントを定義します。ユーザーのリクエストを受けると、モデルはこれらの定義を使用してJavaScriptまたはPythonプラグインを生成します。拡張ポイントは、アプリケーションが結果をどのように処理するかも決定します。例えば、読み取り専用のクエリは即座に実行される一方、変更操作には確認が必要になる場合があります。
生成されたプラグインは、リソース制限のある制限付きGraalVM polyglot contextで実行されます。スキーマ駆動型のバインディングにより、プラグインへのアクセスは、明示的に公開されたアプリケーションAPIに限定されます。
プラグインは一度実行されて破棄される場合もあれば、後で使用するために保存される場合もあります。保存されたプラグインは、別のモデル呼び出しをしなくても、現在のアプリケーションデータに対してローカルで動作します。
Graal Script Agentの詳細や、いくつかのユースケースの実例については、以下のブログ記事をご覧ください。
Reduced memory usage with compressed references
GraalVM 25.2 では、Native Image における参照の圧縮 (compressed reference) が導入され、デフォルトで有効になっています。64 ビットシステムでは、マネージドオブジェクト間の参照が、完全な 64 ビットアドレスではなく、32 ビットのヒープ相対値として格納されるようになりました。
このよりコンパクトな表現により、参照の多いオブジェクトグラフや参照配列が占有するメモリを削減できます。また、プロセッサの高速キャッシュにより多くの参照を格納できるようになるため、キャッシュ効率も向上します。実行ファイルのイメージヒープに格納されるビルド時オブジェクトも、占有するスペースが減少する可能性があります。ただし、実行ファイルの総サイズへの影響は、その中に含まれるコード、メタデータ、リソース、およびイメージヒープデータの割合によって異なります。
当社のテストでは、Oracle Database を使用する Micronaut Web アプリケーションにおいて、GraalVM Community Edition 25.2 を使用した場合、25.0 と比較して負荷時の RSS が 39% 減少しました。
alina-yur/swiss-travel-advisor: A Micronaut, LangChain4j, and Oracle DB demo

参照の圧縮を行っても、実行ファイルが32ビットになるわけではありません。ネイティブアドレスやその他のネイティブデータは64ビットのままです。この機能により、マネージドヒープは32 GBに制限されます。これより大きなヒープを必要とするアプリケーションでは、ビルド時に-H:-UseCompressedReferencesを指定して、この機能を無効にすることができます。
G1 across all platforms!
Native Image now supports G1 GC on Windows! It can provide better throughput and lower latency, particularly for multithreaded applications and larger heaps. To enable it, build your application with --gc=G1.
This release also brings image startup and size improvements. Native images using G1 now start faster because more initialization work is completed at image build time, with applications that have larger image heaps seeing the greatest benefit. Native executables using G1 are also smaller when built with profile-guided optimizations (PGO) or -Os.
Native ImageがWindowsでG1 GCに対応しました。これにより、特にマルチスレッドアプリケーションや大規模なヒープにおいて、スループットの向上とレイテンシの低減が期待できます。これを有効にするには、--gc=G1を指定してアプリケーションをビルドしてください。
また、今回のリリースではイメージの起動速度とサイズの改善も実施されています。G1 を使用するネイティブイメージは、イメージのビルド時に初期化処理の多くが完了するため、起動が速くなりました。特に、イメージヒープが大きいアプリケーションでは、その効果が顕著に現れます。さらに、プロファイルガイド最適化 (PGO) または -Os オプションを使用してビルドした場合、G1 を使用するネイティブ実行ファイルのサイズも小さくなります。
Vector API Support by Default
今回のリリースでは、jdk.incubator.vectorモジュールがブートモジュールレイヤーに含まれている場合、Java Vector API のサポートがデフォルトで有効になりました。
Vector API により、対応するプロセッサは SIMD 命令を使用して、複数の値に対して同時に同じ演算を実行できるようになります。これにより、機械学習、数値計算、画像処理、データ分析などの計算負荷の高いワークロードを高速化できますが、その効果はワークロードや対象となるハードウェアによって異なります。
Community and Ecosystem
IntelliJ IDEA Conf 2026にて、Sandboxing AI Agents with GraalVM (GraalVMを用いたAIエージェントのサンドボックス化)についてThomas Wuerthingerが講演を行います。オンライン参加の登録は現在も受け付けています。
IntelliJ IDEA Conf 2026 | September 8-9, 2026
Guillaume LaforgeがMicronaut、LangChain4j、GraalVMを使用して構築したAntigravity session visualizerをぜひご覧ください!
Antigravity Brain Visualizer Now With a Contextual Smart Chat | Guillaume Laforge

Micronaut 5.1が昨日リリースされました。Oracleのチャットメモリ自動設定をはじめとする新機能が追加されています。新機能の詳細は以下からどうぞ。
Micronaut Framework 5.1.0 Released! – Micronaut Framework
HEBI RoboticsがリリースしたReachability Annotationsプロジェクトは、コンパイル時にNative Imageのメタデータを生成し、リフレクションを多用するアプリケーションやFXMLベースのアプリケーションの設定を簡素化します。
HebiRobotics/reachability-annotations: Utilities for generating GraalVM configuration files
KubeMicroVMをご紹介します。これは、QuarkusとNative Imageで構築された、AWS Lambda MicroVM向けの新しいKubernetesオペレーターおよびCLIです。
ブラウザ上で直接Parquetファイルを検査:Gunnar Morling氏は、GraalVM Web Imageを使用してHardwoodのWebAssemblyへの移植をコンパイルしました。
Conclusion
このリリースの実現に際し、素晴らしい貢献者やコミュニティの皆様からいただいたフィードバック、ご提案、そしてご協力に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
今回のリリースに関するフィードバックや、今後のリリースで実装してほしい機能のご提案がございましたら、Slack、GitHub、またはLinkedInにてぜひお聞かせください。
Slack invitation
https://www.graalvm.org/slack-invitation
GitHub Issues
https://github.com/oracle/graal
LinkedIn
https://www.linkedin.com/company/graalvm/posts/?feedView=all
さあ、さっそく新しいGraalVMをお試しください!