これまでに何度かJJUG CCCの speaker proposal の書き方について質問されたことがあります。多くの場合は
- speaker proposal で求められている内容がわからない
というものでした。時間をかけて書くのであれば、書くべき内容(=選考メンバーが求めている内容)を適切に記載し、採択の可能性を高めていただきたいと考えています。というわけで、実際のCfPフォームに従って、何を書くべきかをまとめました。
結論から言うと、採択の可能性を高めるための3つのポイントは、以下の3点に集約されます。
- 何を話すかを明確に書く
- 誰に向けたトークかを書く
- なぜ自分が話すべきかを書く
以下に記した内容を踏まえて speaker proposal を記載すれば、選考メンバーが期待している内容を届けることができ、情報不足が理由で採択されない、という残念なことにはなりづらくなるでしょう。
免責事項
当然ながら、このガイド通りに書いたからといって、採択が保証されるわけではありません。採否はトーク内容などを総合的に判断した上で決定されますので、その点はあらかじめご了承ください。
Call for Proposalのページ
以下のURLからフォームにアクセスできます。
https://sessionize.com/jjug-ccc-2026-fall
画面右上からログインしましょう。

ソーシャルログインが促されますので、お使いの(お好みの)アカウントでログインしてください。

認証後、スクロールダウンして【Submit a session】をクリックすると、入力フォームが開きます(未認証状態で【Submit a session】をいきなりクリックしても、上記のソーシャルログインに遷移します)。
フォームを埋める
トークの詳細を伝えるにあたって記載すべきフィールド、つまり採否にあたって重要な情報が含まれるフィールドは以下のあたりです(当然ながら、行動規範への同意やスピーカーガイドラインの確認のチェックがなければ選考対象外になりますが、そのあたりは省略します)。
| 参加者・選考メンバーに見える | 選考メンバーにのみ見える |
|---|---|
| Session Title Description Session type and length Session level Tags | Additional Information Speaker experience (これまでの登壇経験) Previous presentation (過去の発表スライド) |
Session Title
タイムテーブルに掲載される、参加者の目に触れる内容です。そのため、
- わかりやすい
- トーク内容と関連しており、トーク内容を選考メンバー、参加者がイメージできる
- ほど良い長さである(タイトルが長すぎるとタイムテーブルに入らないことがある)
の適切なタイトルをつける必要があります。
タイトルで人目を引くという、ちょっと高度な方法もあります。ただ、そのタイトルが後述のDescriptionの内容とリンクしている必要があるのは言うまでもありません。どうしてもつけたいなら、サブタイトルで補足することをおすすめします。
Description
こちらも参加者の目に触れる内容です。欄外に以下のような注意書きがあります。
Session overview, presentation abstract, agenda, and presentation scope (what will be covered and excluded) to be published in the timetable. Additional information for selection committee review should be entered in the “Additional Information” section. / タイムテーブルに掲載されるセッション概要、発表要旨、アジェンダ、発表の範囲(話すこと、話さないこと)など。採択の選考者向けの追加情報はAdditional Informationに記載してください。
また、フォーム右側下部に、CfP記載内容についての補足事項として、以下の記述もあります。
参加者のセッション選択の参考になるような内容を記載してください(タイムテーブルに掲載されます)。
たとえば次のような内容を記載してください。
- セッションの概要
- セッションで話すこと、トークの範囲(スコープ)
- 想定するオーディエンス、対象オーディエンス
- このテーマを取り上げる理由
- このセッションで聴講者にどういうメリットがあるか
また、以下のポイントは遵守くださいますようお願いいたします。
- セッション中に、商用製品の宣伝や人材募集の告知などは行わないでください。(宣伝を伴うセッションは、スポンサーとしての参加をご検討ください)
- 複数のCfPを提出されている場合、”Notes to organizer”の欄に提出数を記載ください。
上記内容から、セッション概要として、少なくとも以下の情報が必要です。
| 項目 | 求められる内容 |
|---|---|
| トークのトピック、概要 | タイトルに掲げたセッションで、どのようなトークをするのかを記述する。 選考メンバーならびに参加者が理解できるように書く。 (アジェンダを含めてもよいが、注意点あり)。 |
| トークのスコープ | このトークでカバーすること、しないこと(話すこと、話さないこと)を書く。 |
| このトークテーマを選択した理由 | なぜこのトークを参加者に届けたいと思ったのか、その理由やモチベーションを書く。 |
| 想定する聴講者 (聞いてほしい人たち) | このトークを届けたい人たちを書く。 【例】 セキュリティエンジニア、Spring Bootの初心者、JVMのコア部分を知りたい人、など |
| 聴講者が持ち帰る内容 | このセッションの聴講者が得られるものを書く。 |
アジェンダを概要に含めると、参加者および選考メンバーがトーク内容をイメージしやすくなる反面、まだ内容が煮詰まっていない場合には、トーク概要がかえって不明瞭になってしまう場合があるので、ご注意ください。
Additional Information
このフィールドは選考メンバーのみが閲覧できます。欄外に以下のような注意書きがあります。
Additional information used solely for selection. Please include here any session details not intended for public disclosure to event participants. / 選考にのみ使用する追加情報。セッション内容について、イベント参加者に公開しない情報はこちらに記載してください。
Descriptionと同様に、補足事項にも記載があります。
選考にのみ使用する追加情報。このフィールドは参加者には非公開で、セッション選考にのみ利用します。
たとえば、あなたの経歴や、あなたがこのセッションの内容について話すべき理由などを書いていただくと、選考の際の参考になります。
また、セッションの内容について、イベント参加者に伏せておきたい情報もこちらに記載してください。
補足事項にある内容でおわかりいただけるかと思いますが、このフィールドの情報は、以下の目的で使ってください。
- Descriptionに書けない(書いていない)内容で、選考メンバーにトークの詳細を伝える
- 例えば、Descriptionに書いたアジェンダの各セクションで話す内容を文章で記述する、など
- このトークをJJUG CCCで実施するのがご自身でなければならないのか、その理由を書く
- 「このテーマは初心者がよくつまずくところで、自身もつまずいたので、経験に基づき、考え方や解決策をお伝えできる」
- 「○○というカンファレンスでこのトークを実施したところ、よいフィードバックを貰ったので、JJUG CCCの参加者にとっても有益であると考える」
Descriptionに書く「このテーマを取り上げる理由(このトークテーマを選択した理由)」と、Additional Informationに書く「あなたがこのセッションの内容について話すべき理由(ご自身がこのトークテーマを話すべき理由)」は目的が異なります。多くの speaker proposal では、この2つが混同されています。しかし選考の観点では、この2つはまったく異なる情報です。
| このテーマを取り上げる理由(このトークテーマを選択した理由) | あなたがこのセッションの内容について話すべき理由(ご自身がこのトークテーマを話すべき理由) | |
|---|---|---|
| 記載すべき内容 | トークの動機 (motivation) | ご自身がこのトークを実施するのにふさわしい理由 |
| 記載箇所 | Description | Additional Information |
Session type and length
記載通りです。Regular (20分)、Regular (45分)、Workshop (105分) の3種類があります。
Session level
補足事項に記載があるように、トーク内容のレベルで判断してください。
セッションレベルは、セッションを理解するにあたり必要となる事前知識や理解度をもとに選択してください。受講者の総合的なスキルではなく、分野ごとの知識・スキルを判断基準としてください。
- Basic(基礎): その分野について事前知識がない場合でも、セッション内容を十分に理解できること。概要や導入の説明が十分にあること。
- Intermediate(中級): セッション内容を理解するにあたり、概要やチュートリアルなどを通じて基礎的な学習が必要であること。応用的な内容が含まれること。
- Advanced(上級): その分野について開発や業務などを通じた利用経験や前提知識がある人に向けた、応用的・発展的な内容で構成していること。
それゆえ、「登壇初心者が話すからBasic」ではありません。あくまでもトーク内容に基づいたレベル設定をお願いします。もし聴衆にそれなりの前提知識を求めるのであれば、IntermediateやAdvancedにすることも検討してください。
Tags
トークのカテゴリを選択します。参加者への情報提供目的なので、ご自身のトーク内容に当てはまるタグを1個以上設定してください。
スライド公開予定がある方は、【スライド公開予定】を選択することをお忘れ無く。あと、英語登壇する予定があれば、【English】というタグをつけてください(日本語を母語とする人による、英語での登壇を妨げるものではありませんが、参加者の大多数は主に日本語を母語とする人たちである点は留意されるとよいでしょう)。
Speaker experience (これまでの登壇経験)
欄外にある通り、他のカンファレンスや社外イベントでの登壇経験を含めた登壇回数を入れます(社内イベントでの登壇は含めないでください)。
Please select the number of previous appearances. / 過去の登壇回数を選択してください(JJUG以外も含む)。
例えば、「JJUG CCCは初登壇だが、Burikaigiに登壇したことがある」のであれば、その登壇回数を計上してください。
Previous presentation (過去の発表スライド)
欄外には以下のコメントがついています。
Please let us know the URL of slide decks that have been presented in the past. / 過去に登壇したセッションのスライド等があれば教えてください。
過去に類似テーマで語ったことがあれば、そのときのスライドのURL(Speaker Deck、DocswellやSlideshare、OneDriveやGoogle Driveでもかまいません)をこのフィールドに記載します。もし同じテーマや類似テーマでのトークスライドがない場合は、空白のままでかまいません(無関係なスライドのリンクを貼る必要はありません)。
複数人から同じトークテーマが提案された場合、Speaker experienceとPrevious presentationを参考に採択の判断がなされる場合があります。
注意事項
カンファレンスにふさわしくない表現が含まれていたり、スピーカーガイドラインに抵触したりするのはNGです。この点はかなり厳しく判断されます。
- ポリティカル・コレクトネスを意識し、公序良俗に反しないような内容である
- 商用製品の宣伝や人材募集の告知をしない、コンテンツに入れない
採択後のセッション情報の変更について
おめでとうございます。もしかすると、セッション概要を変更する必要が出る場合もあるかもしれません。その場合はSessionizeにログインし、ご自身で編集いただけます。JJUG CCCチームに許可を取る必要はありません。
ただし、CfPとして提示された内容に基づいて採否が判断された後に、大幅に内容を変える(例えばSpring Securityについて話す予定だったのが、OpenTelemetryについて話す、など)のはだめです。トークテーマが変わってはいけません。
終わりに
この内容が、speaker proposalを出す方々にとって有益なものとなることを願っております。多くの方々からのご応募をお待ちしております。例によって締め切り延長はありませんので、余裕を持ってご提出ください。